腎臓は血液を濾過して老廃物や塩分を尿として体の外へ追い出してくれます。
また、体に必要なものは再吸収し、体内に留める働きをし生体にとって非常に重要な臓器です。
肝臓などはある程度機能を失っても再生能力が強く肝機能を正常に戻す力がありますが、他の臓器と違って再生しない臓器である腎臓は、一度機能を失ってしまうとその機能を維持するのは難しく病態の進行を防ぐ有効な治療方法はあまりなく、ヒトでは血液透析などで機械を使い失った機能を補うか、腎移植などでしか機能の改善は難しいのが現状でした。
東レ株式会社さんが開発し4月発売予定の猫慢性腎臓病治療薬 ラプロスRについてプレスリリースを出されています。(以下下記より転載)
http://www.toray.co.jp/news/plastics/detail.html?key=93746DCF52C4544E492580AE0030736C
猫の慢性腎臓病は病理組織学的に間質の線維化と炎症が主体であり間質の線維化が腎機能低下と最もよく相関することが分かってきました。
腎臓の線維化は、炎症や虚血、低酸素状態、線維化によるさらなる虚血と低酸素状態…という風に悪循環を形成して進行していきます。つまりこの腎線維化プロセスを抑制することができれば、腎機能の低下を抑制できると考え、開発に着手しました。
ラプロスRは、ベラプロストナトリウムを有効成分とする経口プロスタサイクリン(PGI2)製剤であり、血管内皮細胞保護作用、血管拡張作用、炎症性サイトカイン産生抑制作用及び抗血小板作用を有しています。これらの薬理作用によって腎臓の虚血および低酸素状態を改善させると考えられており、腎機能の低下を抑制し臨床症状を改善させます。
国内で「腎機能低下の抑制」を効能効果として承認を取得した薬剤はラプロスRが初めてであり、猫医療に心強い治療選択肢を提供することができたと考えています。
------------------------転載終わり
腎臓に直接作用する新しいお薬。
猫たちの腎不全の新たな光明となると良いのですが。
発売を凄く期待しております。
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