
薬液を細かい霧状にして、鼻や口から吸入する治療をネブライザー療法といい,
鼻やのど、気管や肺などの治療に有効です。
薬液を霧状にするために、ネブライザー(噴霧器)という器具が用いられます。
機械によっても異なりますが薬液を細かい霧状にし薬液を局所に直接投与できるため気道を浄化する効果も高く、また気道を加湿して絨毛運動を促す効果があります。
霧の粒を小さくすれば肺の末梢まで薬剤を到達させることもできます。
大きなメリットとしては口から飲む薬の場合は腸から吸収されて血液に溶けてから、さらに全身に廻って肺の組織に到達するため効率が悪いのですがネブライザーの場合直接患部に薬剤が届くため使用する薬の量が少量で済み、また、全身への薬の影響も少ないため、副作用が起こりにくいのです。
この治療によく用いられる薬剤は抗炎症薬、抗生物質、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン、気管支拡張薬(きかんしかくちょうやく)などで、調合された薬剤とは異なり病気によって病院内でブレンドを変えることができるのも大きなメリットです。
写真のわんちゃんは慢性の副鼻腔炎(人で言う蓄膿症)の子で、常に鼻がつまり呼吸困難があり、酷い時には鼻からどろっとした粘液と出血があり現在内服と合わせ、ネブライザーの治療を行っています。
犬猫の場合人と違ってマスクなどで吸入が行えないため、密閉された酸素室を利用しネブライザー療法を行います。
最近は少しづつですが症状は緩和し、今では花の通りもだいぶ改善され、出血や鼻漏も見られなくなってきました。
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