原因は発情周期に分泌されるホルモンの影響が大きく、それにより細菌に対する抵抗力が弱くなるためと言われています。
症状としては食欲減退、多飲多尿、嘔吐、膣からの膿状や血様のオリモノの排出が起こります。
<膣からのオリモノによって汚れた外陰部>
症状が進行すると、細菌により分泌される毒素(エンドトキシン)により多臓器不全を起こしたり、お腹の中で子宮が破れたりした場合は重度の腹膜炎を起こし死亡する事もある怖い病気です。
治療法としては外科手術が基本となりますが、全身状態が悪い事も多くハイリスクな手術となります。
また感染子宮を完全に取り除いても、エンドトキシンは術後にも残り、悪影響を残す場合もあるので、術後も注意が必要です。
予防のため、子供をとる予定がないのであれば、若いうちに避妊手術を行う事も一つの方法です。

<イラストは摘出した子宮蓄膿症の子宮>
犬猫の子宮はYの字形をした臓器で10Kの犬では太さ1.5cm位ですが、この症例は子宮蓄膿症によりパンパンに膨れ内部には大量の膿が溜まっています。
一般的な避妊手術の場合、子宮蓄膿症の手術と同様に、卵巣から子宮にかけての全てを摘出してしまうため、同時に卵巣や子宮の腫瘍などの発生も抑えることができます。
【関連する記事】